さいたま市の農業の現状

1.さいたま市の農業の特色

 さいたま市の農家数は4500戸を超え、首都圏では貴重で大規模な緑地空間の見沼田圃や、荒川、綾瀬川、元荒川流域に広がる豊かな水田地帯をはじめとした優良農地が確保されています。
 本市における農業の経営は、近年の急激な都市化の進展や社会経済情勢の変化に伴い、農家人口の減少、農業従事者の高齢化、農業後継者不足、農地減少等により、大変厳しい状況におかれています。
 このような状況の中、首都圏という大消費地に位置していることを活かし、高度集約的な農業が発展し、農産物直売所が多く設けられ、米や野菜、種苗・植木、花卉、いも類などの多様な作物の生産が活発に行われています。
 地域的に見ると東部の元荒川と綾瀬川流域の中川低地では主に水稲が作付けされ、その他、転作作物のクワイも特産品として収益をあげています。周辺部の岩槻台地においては、小松菜、山東菜等の施設栽培が活発に行われ、JAを中心とした共販による市場出荷も見られます。
 中央部の見沼田圃では、植木、苗木、野菜等を中心に作付けされ、ブルーベリー、梨、ぶどう等の観光農園が点在しています。周辺部の大宮台地中心部から安行台地にかけては野菜、花卉、植木を中心に作付けされ、チコリーのブランド化も進められています。
 西部地区においては、荒川流域の水田地帯が県内有数の早場米地帯になっている一方、大宮台地西部では、梨、ぶどう等の果樹や野菜が作付けされています。
(出典:『さいたま市の農業 平成21年度版』さいたま市)

2.さいたま市の農家と担い手

 近年、急激な都市化の進展や社会・経済情勢の変化に伴い、農家人口の減少、農業従事者の高齢化、農業後継者不足が進んでいます。
 さいたま市の農家人口は19,114人で農家人口率は1.6%、また、農家戸数は4,683戸で、その内訳は専業農家が753戸、第一種兼業農家が529戸、第2種兼業農家が1,628戸、自給的農家が1,773戸となっています。市の総世帯数が増加する中、農家は減少の一途をたどり、以前に比べ大きく減少しています。
 また、県内における農家人口は第2位、農家戸数は第3位の規模となっています。
(出典:『さいたま市農業振興ビジョン(平成21年4月改訂)』さいたま市)

さいたま市の農地

 さいたま市の農地面積(農地基本台帳による集計値)は5,073ha、市域面積に占める割合は約23.3%です。また、耕地面積(農林業センサスによる統計値)は4,080ha となっています。近年の急激な都市化の進展に伴い、農地は宅地・道路などへ転用され著しく減少しています。
 昭和50 年と平成17 年を比較すると、耕地面積は約37%減少しており、なお減少傾向にあります。また、遊休農地も増加傾向にあり、現在約62ha あります。限りある農地を有効利用する上でその解消は喫緊の課題となっています。
 一方で、農地の特徴として見沼たんぼや荒川、綾瀬、元荒川流域に広がる豊かな水田地帯をはじめとした貴重な優良農地があります。今後、農業の振興を基調としなが ら、自然環境の保全や水と緑のネットワークの骨格形成、また市民生活にやすらぎや潤いを提供する空間としてその活用・創造を図っていく必要があります。
(出典:『さいたま市農業振興ビジョン(平成21年4月改訂)』さいたま市)

さいたま市ランドコーディネーター協議会